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2015年2月

2015年2月16日 (月)

421号 出国税が導入されます

■■ 出国税が導入されます ■■
 平成27年度の税制改正で「出国時課税制度(以下、出国税(Exit Tax))」の導入が検討されています。

■ キャピタルゲイン課税を逃れる?
 上場株式などを売却して売却益(キャピタルゲイン)を得た場合、日本では原則20.315%の税金がかかります。
 これに対し、シンガポール、香港、ニュージーランドといった国等ではキャピタルゲインに課税する制度がありません。
 この点を利用し、多額の含み益を有する株式を保有したまま日本からキャピタルゲイン非課税国に移住し、移住後に株式を売却してキャピタルゲイン課税を払わずにすませるケースが散見されていました。
 このような租税回避行為を防ぐため、出国税が創設されます。

■ どんな人が適用されるの?
 出国税の対象となる方は出国前10年以内に5年超日本に居住し、時価1億円以上の有価証券等(国債、社債、上場株式や外国株式、新株予約券、投資信託等)を有する個人です。
 該当する方は、実際に有価証券等を売却していなくても、出国時に時価で売却したものとして課税されます。

■ 租税回避を目的としていない人は?
 ここでいう出国とは「国内に住所及び居所を有しなくなること」とされていますので「1週間休暇をとって海外旅行!」なんていうのは含まれませんが、「1年以上の海外勤務で出国します!」という方は対象になります。該当する方は年間100人程度との予想です。
 「仕事の都合で海外勤務するので出国期間中に株式を売却するつもりのない人」「出国時に納税する資金がない人」等は、一定の要件下で5年間(申請により10年に延長可)の納税猶予を受ける事ができます。
 この制度、アメリカやヨーロッパの先進主要国では既に導入済みで、対象資産は有価証券に限定されていない国もあります。
 日本では今年7月1日以降の出国から有価証券等に限定して適用される予定ですが、将来は対象資産が拡大されるかもしれませんね…




2015年2月 3日 (火)

420号 法人と個人とどちらが得?

■■ 法人と個人とどちらが得? ■■
 昨年末に公表された平成27年度の税制改正大綱では、法人実効税率の引き下げが話題になりました。
 法人実効税率の引き下げが行われると、役員報酬をある程度コントロールできるオーナー社長の場合、法人と個人とどちらで税金を支払う方が得なのか(税率が低いのか)気になるところです。
 そこで今回は、中小法人の所得税率(東京都の場合)と個人所得の税率を比較してみようと思います。

■ 中小法人の実効税率
 まず、現在と平成27年度以降の中小法人実効税率は以下の通りです。
1. 現在の法人実効税率
 所得金額400万円以下は22.09%、所得金額800万円以下は23.94%、所得金額800万円超は37.11%
2. 平成27年4月以降開始事業年度の法人実効税率
 所得金額400万円以下は22.09%、所得金額800万円以下は23.94%、所得金額800万円超は35.36%
 以上より、法人所得800万円以下は実効税率22~24%の間、800万円を超えると35%超となる事がわかります。

■ 個人の税率
 個人の税率(所得税率+個人住民税率)は所得金額330万円以下だと15~20%、330万円超で30~33%、900万円超は43%以上です。

■ どちらがお得?
 以上から個人と法人とどちらが得(税率が低い)かまとめてみましょう。
Win 個人所得0円超~330万円 vs 法人所得0円超~800万円 Loss
Loss 個人所得330万円超~900万円 vs 法人所得0円超~800万円 Win
Win 個人所得330万円超~900万円 vs 法人所得800万円超 Loss
Loss 個人所得900万円超 vs 法人所得800万円超 Win

■ 個人所得330万円って?
 なお、字数の都合上詳細は省略しますが、所得と収入は違います。
 個人所得の計算は各個人で異なりますが、独身サラリーマンの場合、年収530万円程の方が所得金額330万円程(530万円-給与所得控除160万円-基礎控除38万円)という感じでしょうか…






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